あかね経営陣から皆様へ

ヴィラシリーズへの思い

平成22年春、膨大な時間と情熱を注ぎ込んできた
サ高住ヴィラシリーズの1棟目が完成しました。

計画当初、サ高住へのチャレンジにあたって、多くの既存サ高住を見学、勉強しました。
サ高住の成功モデルは「家賃は安くするかわりに、とにかく建築費はローコストで!
しつらえや広さは二の次。それが成功セオリーだ」と言われました。

その頃、居室面積は18㎡が基準で、室内に浴室やトイレなどの設置義務もありません。
私たちは、果たしてそれが人生最大の功労者である高齢者の住まうべき家なのかと
疑問を感じずにはいられませんでした。

もし自分の親が住むとしたら・・そう思うと、
主流のサ高住モデルでは満足いくものが提供できないことがはっきりとわかりました。

たとえ一部屋であったとしても、
食事をするダイニングスペースと、テレビを見たり本を読んだりするリビングのスペース、
そして睡眠のためのベッドスペースがそれぞれで確保できるお部屋の広さがほしい、
そう思いました。

できる限り自立した生活を送るためには、
ミニキッチンではなくファミリータイプのしっかりとしたキッチンを。
将来援助が必要になったときのために浴室は広めで―
そう考え出すと、コンセプトがはっきりしたのです。

必要なスペースを入れこんで逆算すると、居室面積は37㎡以上。
当時の基準の2倍です。
部屋の広さを2倍にしたからと言って家賃を倍にすることはできませんから、
ビジネスだけの観点ならありえないことかもしれませんが、自分たちの信念は曲げられませんでした。

そして欠かせないのは、私たちが20年間培ってきた介護力。
シニアの皆さんは「家を買う」のではなく、きっと「安心を買う」のだと思います。
自分たちの介護力が住まう人の心の支えと安心になることを祈って、
サ高住だけを単独で建てることはしないと心に決めました。
広さだけでなく、介護に裏打ちされた部屋の隅々への工夫、そして高いデザイン性。
賃貸では決して実現できないハイグレードな住まいを情熱でもって完成にこぎつけました。

多くの方々に愛され、心の拠り所となる住まいになれるよう、
ヴィラシリーズスタッフ一同でたゆまぬ努力をしてまいりたいと存じます。

m-makiko
社会福祉法人あかね

理事長 松本 真希子